RSウイルス感染症
とは
RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染によって引き起こされる呼吸器感染症です1)。
RSウイルスは、一般的には乳幼児の呼吸器感染症の原因ウイルスとして知られています。その一方で、高齢者や基礎疾患のある成人においても、RSウイルスは、肺炎などを引き起こすこともあります2)。
ここでは、RSウイルスの感染を起こす年代や感染経路、流行時期、なぜ肺炎を起こすきっかけになるのかを
説明します。
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RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染によって引き起こされる呼吸器感染症です1)。
RSウイルスは、一般的には乳幼児の呼吸器感染症の原因ウイルスとして知られています。その一方で、高齢者や基礎疾患のある成人においても、RSウイルスは、肺炎などを引き起こすこともあります2)。
ここでは、RSウイルスの感染を起こす年代や感染経路、流行時期、なぜ肺炎を起こすきっかけになるのかを
説明します。
【編集協力】杏林大学医学部付属病院 感染症科
臨床教授 倉井 大輔 先生
RSウイルスは、2歳までにほぼすべての子どもが感染するとされていますが、その後も生涯にわたって何度も感染と発症を繰り返します4)。そのため、乳幼児だけでなく、成人、特に高齢者にも影響をおよぼす可能性もあります。
喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)などの慢性の基礎疾患がある人や、免疫機能が低下している人は、RSウイルスに感染した場合、肺炎などを起こすこともあります。5)6)7)8)。
高齢者
喘息、COPD、
心疾患などの
慢性的な
基礎疾患がある人
RSウイルス感染症の感染経路は、飛沫感染・接触感染です7)。
飛沫感染
接触感染
RSウイルス感染症は、近年は夏から増加傾向となり秋にピークがみられていました。一方、2021年以降は春から初夏に継続した増加がみられ、夏にピークがみられています。今後の発生動向について、さらなる注意が必要です。
RSウイルスなどのウイルス感染がきっかけで、肺炎などが引き起こされることがあります。
高齢者や基礎疾患のある人では特に注意が必要です。
永武 毅 他:日内会誌 1997;86(3), 141-145
厚生労働省RSウイルス感染症Q&A(令和6年1月15日改訂)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html(アクセス2024年3月)
(図は文献から作図)